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5月, 2020の投稿を表示しています

読書の技法

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著者:佐藤優 佐藤優が自らの読書の技法について語る。 懇切丁寧である。 どういった本は熟読が必要で、どういった本は速読・超速読で済ませるかといったアドバイスもさることながら、読書の際に用意する道具。シャープペンシルや鉛筆、消しゴム、ノートといったものを紹介しながら、シャープペンシルの芯の濃さまで指定している。。 しかも、満員電車では本に線を引く作業を行わない方がいい。他人に気遣いができる人間のほうが出世するなど、細かい配慮も怠らない。 やもすれば「佐藤優のようなエリートだからできる読書術だ」と考えがちだが、そのあたりはごく普通のサラリーマンでも対応できるような方法でアドバイスしてくれている。 自分もこの本を読んで、もう一度読書というものを考えてみようと思った。

グレイプニル008

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作者:武田すん おもしろい。 よりダークになってきた。 キャラクターの書分けがやや下手な気がしてきた。 海斗がほのかを殺したことが明かされる。 修一とクレアはエレナを呼び出す。 戦い、ふたりは仲間と協力してエレナをなんとか倒す。 エレナは、この戦いはほのかがはじめたことだと打ち明ける。 修一は、自分についての記憶を聞き出そうとする。 しかし、そのとき吉岡があらわれ、エレナは逃げていく。 吉岡はほのかに取り憑かれていた。 「この世界は残酷だ」とでも言い出しそうな展開。 彼らはなぜ殺し合いをはじめたのか。 小さな田舎町で、仲間同士が殺し合う。お互いに信頼しあっていたはずの彼らがこのような関係になるには、なんらかの事件があったのではないかと思うが。 これは思ったよりも長い話になりそうだ。

グレイプニル007

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作者:武田すん だんだん大暮維人風になってきたか。 クレアと修一は、海斗についての情報を入手する。 海斗の能力は死人を蘇らせること。 クレアと修一は蛇女を殺す。 その頃海斗は直人と再会していた。 直人は修一と同じ着ぐるみに変身する。 ほのかが現れる。 彼女は圧倒的な力を持っているが、記憶を失っている。 この記憶を失っているという要素。 修一と共通している。 やがてクレアと修一は海斗と遭遇する。 海斗は、ふたりに戦いを挑む。 海斗は強く、ふたりは歯が立たない。 立ち去るように言われるが、最後に海斗はクレアに「お前がすべてを壊した」という。 これは意味深だ。 いままで、クレアの記憶として語られていた出来事はニセの記憶だったのだろうか。 そうだとしたら、今まで積み重ねてきた出来事が根底から覆されてしまう。 たとえば、両親を殺したのがクレアだということもありうるわけだ。

見るだけで勝手に記憶力がよくなるドリル

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著者:池田義博 脳の記憶スイッチをオンにするのは「ひらめき」 ひらめきを生むセンサーは以下の5つ。 ・探知センサー 隠れているものを見つけ出した快感が脳に記憶させる ・分類センサー 共通点が覚える量を圧縮し、記憶できる情報を増やす ・照合センサー 知識を活用し、記憶の効率化を促進。無駄なく脳に記憶させる。 ・イメージセンサー イメージの力で脳が秘めた記憶力を存分に発揮する ・関連センサー 結び付けられた情報は必要な時にいつでも頭から取り出せる 印象的だったのは、イメージセンサーのところで、普段書いたり読んだりする文字をイメージを使って覚えたほうが効率的であるというくだり。 読書などのときにもイメージで理解するように心がけたい。

ゲームの企画書(1) どんな子供でも遊べなければならない (角川新書)

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作者:電ファミニコゲーマー編集部 伝説のゲームについてのインタビュー。 収録されているのは ・ゼビウス ・桃太郎電鉄 ・不思議のダンジョン ・コーエー「信長の伝説」「乙女ゲーム」 非常におもしろい。インタビュアーもゲームのことを熟知しており、良い質問を投げかける。そのことも、このインタビューが熱を帯びる一因となっているのだろう。 たとえばゼビウスの製作者とポケモンの製作者によるインタビュー。 それぞれがとても熱意を持って語っており、その根源がゲームセンターの文化にあることがわかった。また、日本とアメリカのゲームの作成スタンスの違いなど、非常に興味深い。登壇者たちが、非常に熱意を持って語っているのが伝わってくる。昔を振り返り、懐かしむだけではなく、当時のことを具体的に、客観的に振り返って語る。 ゲームクリエイターは、当時のことをとてもよく覚えている。またそれぞれの人がやってきたことが、ゲームに反映されていることが多いようだ。 例えば、桃鉄を作った人は、週刊少年ジャンプの、ジャンプ放送局と言うコーナーを担当していたので、普通の子供と言うのはどういうものなのかよく知っている。そしてそういう子供たちが、どういうゲームなら遊んでくれるのか、理解している。 ゲームを作るときは、ゲームの中ではなくて、ゲームの前にいるプレイヤーがどういう気持ちでプレイをして、プレイをすることでどういう気持ちになるか、そういったことを徹底的に考えるのだと言う。 不思議なダンジョンを作った人は、G1が好きで、そういった経験が生かされていて、不思議なダンジョンにある種のギャンブル性が反映されている。みんな、ゲームの中で起こる出来事の確率についてとてもこだわっている。数字上のパーセンテージと、プレイする人の体感の確率はさがある。だから、プレイヤーの体感に合わせて調整するのだと言う。

銀の匙

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著者:中勘助 銀の匙は中勘助が書いた小説。中勘助の自伝的小説だそうだ。 明治43年に前編が執筆され後編は大正2年1913年に執筆された。 文章が美しく、当時をしらない自分にも郷愁を抱かせる描写がすばらしい。 東京の神田で生まれた主人公は、やがて緑豊かな小石川に引っ越す。 その土地でであった子どもたちとの交流や、自然描写、淡い恋心などが綴られていく。 病弱だった主人公が、世界を見る視点は、生き生きとしていて驚きや恐怖に満ちている。 小学校に上がってしばらくすると、主人公は勉強に追いつかず、苦労して遅れを取り戻す。 体が大きくなり、ガキ大将となる。 やがて近所に越してきたおけいちゃんという女の子と親しくなり、一緒に日々を過ごす。同級生からのやっかみや、ライバルの出現などもあるが、おけいちゃんは最後は主人公のもとに戻ってくる。 しかしおけいちゃんは父親が亡くなり、母親の郷里に戻ることになる。 おけいちゃんが暇乞いをしにきたとき、主人公は部屋にこもって挨拶をしない。このひねくれた気持ちは自分にもよくわかった。 後半は、男らしさを求める兄とのやりとりや、戦争で盛り上がる同級生や学校の先生への反発、ひとり休暇をすごしにいった静養地での美しい女性との出会いなどが語られる。 この女性とは少ない交流の中で主人公に強烈な印象を与えたらしく、これ以上ない美しさをもって描写される。そして、彼女が京都に戻る暇乞いをしにきたとき、主人公はまたも天の邪鬼になり、聞こえなかったふりをする。 彼は恋をした女性の暇乞いには応えないのだ。 それは、おそらくは暇乞いを受けてしまうとその別れを認めることになるからではないだろうか。 美しいものを丁寧な言葉で表現する。それを書き連ねたことで美しい小説が完成した。

悪魔くん千年王国 3 (少年マガジンコミックス)

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著者:水木しげる 愚かな人間たちは目先の利益に踊らされて次々と破滅していく。理想をかかげる悪魔くんに従っていた佐藤までもが、悪魔のささやきに耳をかしてしまう。貸本版では悪魔くんの死のあと、復活がささやかれてはいたが、蛙男のセリフだけだった。今回は悪魔くんが本当に復活しており、より希望をもたせたエンディングとなっている。 悪魔くんの父親は悪魔にそそのかされて、空飛ぶほうきの権利を買い取る。その後もつぎつぎと金をむしり取られることになる。 一方八仙人に会った悪魔くんたちは、張果老を返すのとひきかえに、「ソロモンの笛」と「占い杖」を返してもらう。そして、肖像画を描き、悪魔くんの生気の半分を絵の中に封じ込めた。 悪魔くんの父親は倒産し、死に場所をもとめてさまよっていたが、最後にサタンに会うことにした。父親が訪れた時、悪魔が訪れて、サタンは敗北する。そして、ダイヤモンドの中に逃げ込んだ。父親は悪魔に殺されそうになるが、間一髪のところで悪魔くんたちに助けられる。 悪魔くんは小学校で演説し、千年王国を作るために仲間を増やしていく。 そのころエジプトのスフィンクスが動き出し、サタンを助けるために日本を目指してくる。 スフィンクスとの攻防により日本は打撃を受ける。悪魔くんはスフィンクスを撃退する条件で緊急の都知事に任命される。スフィンクスはサタンのはいったダイヤモンドを渡すと、日本を去っていった。 悪魔くんはそのまま千年王国を樹立した。 外国との戦いのさなか、悪魔くんは警察に撃たれて死ぬ。悪魔にそそのかされたヤモリビトの佐藤が、警察に売ったのだ。 その後、ヤモリビトは悪魔に金を奪われて、落ち込んでいた。そこに蛙男がやってきて、悪魔くんのもとに連れて行こうとする。悪魔くんは、八仙人に描かれた肖像画のおかげで復活した。そして、再び千年王国戦争をはじめた。

悪魔くん千年王国 2

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著者:水木しげる 悪魔くんに召喚された悪魔は悪魔くんに従う気はなく、人間の世界で悪事をおこなうために動き出す。人々は彼の思惑に騙され、踊らされる。この、人の愚かさを水木しげるは非常に上手く描く。 悪魔くんに敗北したサタンは、財界を招いたパーティーで奥軽井沢を開拓して空港にする計画を発表する。悪魔くんの父親は自分の所有する土地を売却することを決める。 佐藤はヤモリビトとして悪魔くんのもとに戻る。そこで、悪魔くんはファウストの助けを得て、悪魔を呼び出すことに成功する。ファウストは悪魔をあやつるために使う「ソロモンの笛」を悪魔くんに託して絶命する。 奥軽井沢を買収したサタンは、空爆をしかけて悪魔くんを殺そうとする。悪魔くん一行は家獣の助けをかりて奥軽井沢を脱出する。しかし、脱出する前にフラン・ネール氏に「ソロモンの笛」を奪われてしまう。 フラン・ネール氏は八仙人のもとを訪れ、ソロモンの笛を渡す。 悪魔くんの情報を得た八仙人は、悪魔くんを殺すべく、仙人のうちの一人、張果老をさしむける。 悪魔くんの父親は、大阪万博を視察したさいに、悪魔に魅入られて酒を渡される。 悪魔くんは張果老を倒し、八仙人に会いに行くことを決意する。

悪魔くん千年王国 1 (少年マガジンコミックス)

著者:水木しげる 貸本版と概ね同じストーリーだが、登場人物や細かいストーリーでの変更がある。理想と現実のギャップや、人間として生きることの苦しみや希望という根源的な部分にスポットを当てている。独特なキャラクターたちがおりなすユーモラスな話だが、現実にも目を向けており、すばらしい作品だ。 悪魔くんの父親が経営する会社の社員である佐藤が悪魔くんの家庭教師になるところまでは同じ。佐藤は奥軽井沢にある悪魔くんの家にいく。そこは広大な森がある。悪魔くんは蛙男とともに、悪魔を呼び出す研究をしている。悪魔くんを平凡な人間にするという使命を帯びている佐藤は偵察を続けるうちに、森に迷う。そして、不気味な穴に落ち、命からがら逃げ出すが、ヤモリビトになってしまう。 その頃、悪魔くんは蛙男以外に、フクロウ女という手下を手に入れ、魔法陣の実験をしていた。しかし、実験は失敗に終わる。 そこに、別荘管理にしている老夫婦と警察官が訪れる。老夫婦の夫はことを荒立てたくなかったのだが、行方不明になった佐藤を心配した妻が警察を呼んでしまったのだ。 悪魔くんは三人を「いらずの家」に閉じ込める。入ったが最後、出ることができなくなる家だ。 一方、ヤモリビトになった佐藤は日本中をさまよい、やがて占い師の佐久間道山に出会う。彼は佐藤はじきにヤモリビトに乗っ取られ、佐藤としての人格を失うと知らされてショックをうける。 佐藤は来日しているフラン・ネール氏にあいにいく。フラン・ネールは佐藤を待ち受けており、悪魔くんのことも知っていた。彼の手術をうけて、佐藤はヤモリビトに乗っ取られずに済んだが、ヤモリビトとして生きなければ悪魔くんに殺されると言われる。 そのころ、悪魔くんのところにサタンが訪れ戦いを挑む。蛙男の機転によってサタンを倒す。

貸本版悪魔くん 普及版 (3)

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著者:水木しげる ある意味衝撃といっていいだろう。 なにしろ途中で終わってしまったのだから。 野望の実現のために小学校に入学した悪魔くんは、同級生の阿部キリヒトくんの家に住まわせてもらうことになる。 もちろん部下も一緒だ。 馬小屋に潜んで機会を伺う彼らだが。 ヤモリビトこと佐藤は術師に呼び出される。ちなみに彼を呼びにきたカラスはキリヒトに銃で撃ち殺される。 術師は佐藤に悪魔くんを警察に売ることを指示する。 しかも、三千万円もらえるというのだ。 佐藤は悪魔くんを警察に売る。 そこにサタンの姿をした男が馬で乱入する。 警察に撃たれて男は死ぬ。そして悪魔くんも死ぬ。 サタンの正体はキリヒトだった。 彼がなんのために乱入したのかは謎のままだ。 佐藤は悪魔に誘われて事業に参加する。 三年後、財産を奪われて落ちぶれた佐藤のもとをカエル男が訪れる。カエル男は佐藤を説得して、七年後に蘇る悪魔くんとともに千年王国をうちたてるための旅に出る。

貸本版悪魔くん 普及版 (2)

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著者:水木しげる おもしろい。 ヤモリビトに乗っ取られそうになっていた佐藤は術者のおかげで人間に戻る。ただし、ヤモリビトに乗っ取られたことを演じて悪魔くんのもとへ戻る必要があった。 一方悪魔くんはサタンとの戦いに勝利し、そのご尋ねてきたファウストともに悪魔を呼び出そうとしていた。 そこに東京から戻ってきた佐藤が合流し、カエル男を含めた四人で魔法陣の周りで呪文を唱え、ついに悪魔を呼び出すことに成功する。 しかし、悪魔くんに敗北したサタンは別の方法で軽井沢の土地を狙っていた。

貸本版悪魔くん 普及版 (1)

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著者:水木しげる おどろおどろしくて面白い。 一流企業につとめる佐藤は、社長の息子の家庭教師を頼まれる。 「息子のことをトコトンまで責任を持ってほしい」 「息子のことで一切煩わしいことを耳にさせないこと」 このふたつの条件を踏まえて、息子を大学卒業させれば、重役の椅子を用意するという。 佐藤は引き受けて、軽井沢にある別荘へでかける。 そこにいたのは「悪魔くん」と恐れられる神童だった。 悪魔くんは天才で、普通の学業はすでに退屈すぎてやる気がしないという。彼は夜な夜な現れる蛙のような男と深い森に姿を消した。 彼を追った佐藤は、森の中で恐ろしい目にあい、ヤモリビトになってしまう。 悪魔くんのもとに、カラスの姿にかえられて、サタンのもとにとらわれていた人間が訪れる。彼は悪魔くんに自分をサタンから守ってくれれば、魔法陣で悪魔を呼び出す方法を教えようという。 そして、サタンが訪れる。

禅マインド・ビギナーズ・マインド2

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著者:鈴木俊隆 曹洞宗の鈴木俊隆による講話をまとめたもの。 アメリカに禅を伝えたと言われる。 肉声ではないので編集者による加工があることをふまえても、穏やかでユーモラスな人格が伝わってくる。 要点としては、知識を人を縛る。すでに知っていることにしがみついてはいけない。「初心者の心にはたくさんの可能性がある。熟達者の心にはあまり可能性がない」。 「これがあなたにとって最後の瞬間であるかのように修行するなら、あらゆるものから自由になるだろう」 座禅のときには呼吸に集中する。 いつも自分のしていることに完全に集中した状態でいること。 ひとつひとつの行動を丁寧に行うこと。椅子を動かすことでも丁寧に行うこと。 自分の身に起こるすべてのことを感謝して受け入れ、集中して丁寧に生きる。そうすることによって、よい人生を送ることができる。

脳が目覚めるたった1つの習慣

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著者:瀧靖之 脳を活性化することによって、「主観的幸福度を上げる選択をして積極的に行動すること」を目指す。 実際、どこまで有効なのかわからないが、幸福が手に入るような気がしてくる。 脳が活性化するときというのは、自分を幸せにしてくれるものをえるために積極的な行動を起こすときであり、イヤイヤやることにたいしては脳はさほど反応しない。 だから、まずは好奇心を抱くこと。 「見たい」「聞きたい」「知りたい」「やりたい」と感じるとき、脳は自分が今よりよく生き延びられる可能性を感じてわくわくしている。 辛い仕事を楽しむためには、そこに自分なりのメリットを見つけること。 脳には「可塑性」と「汎化」という性質がある。 可塑性とは、物事に順応して成長する能力のこと。たとえば運動なら練習すればするだけ身につけることができる。 汎化とは、なにかひとつの能力が伸びると、それとは直接関係のない部分の能力も伸びていくというもの。 野球の練習をすると、ボールの落下点をはじきだすために、「記憶」「理解」「思考」などの脳領域への枝ができるが、それが汎化。 重要なのは趣味をはじめたらしばらく続けること。それによって枝ができ、太くなっていく。 現代では自分が一本のことだけに特化していると生き残れない可能性がある。そのため、他に二本の道を用意しておくといい。一本は今やっている仕事のうち、対応できる種類を増やす。もう一本は、仕事とは別に興味を注ぐ対象を作る。 読書も大切。小説などは別として、普通の本は、三度読みする。まずざっと読み、気になったところをチェックする。さらに二度目で一回目に気になったところを重点的に読む。三回目の読書で、関心をいだいた箇所が本の中でどういう位置づけにあるのかを理解しながら読みすすめることができる。 経営者、社長など人の上に立つ人になるほど積極的に趣味を楽しむ必要がある。好奇心旺盛で主体的幸福度が高い人のそばにいるとそれがうつる。クリエイティブな職場を維持するためには、トップが人生を楽しむ必要がある。 ストレスは脳を萎縮され、楽しむことが見えなくなる。 人とのコミュニケーションによって脳は活性化される。だから直接のコミュニケーションは大切。 考え方が古いと言われないために、他人を褒めるということをする。それは他人に興味を持つということ。脳の活性

禅マインド ビギナーズ・マインド (サンガ新書)

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著者:鈴木俊隆 アメリカに禅を伝えたとされる僧侶のひとり、鈴木俊隆の講演集。 帯にも書いてあるが、アップル社のスティーブ・ジョブスも愛読していたとされる。こういったことは広告なので、肌見放さず持っていたのか、二回か三回読んだのを愛読と称しているのかは不明だ。 鈴木大拙についても触れているが、大拙の禅は劇的であり、俊隆の禅は日常的だとされる。 よく紹介されるのは以下の言葉だ。 「初心者の心には多くの可能性があります。しかし専門家と言われる人の心には、それはほとんどありません。」 講演の中で俊隆は、ただ座るだけが修行であると繰り返す。なにも得ようとしないでただ座るのだと。 以下の文も心に残った。 「なにかを行うときには、自信を持って、その活動に心を置けば、その心の質が、その活動そのものになります。」 すべての行動に心を込めること。それが俊隆和尚が伝えたいことだったのではないだろうか。

ディザインズ(1) (アフタヌーンコミックス)

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作者:五十嵐大介 おもしろい。なにを目指す物語なのかはまだ明かされない。登場人物もおおまかな説明はあるが、全容はまだ見えない。大きな物語になりそうだ。 絵柄はどこかで見たことがある。たとえば、黒田硫黄のような雰囲気がある。上手いか下手かはよくわからないが、デッサン力があると感じられる。 改造された少女たちが戦う。 ジャングルの奥地で、実験的な戦闘が行われた。義足の少女と、少女の顔をしたヒョウが二頭。現地の兵士たちを襲って殺した。 彼女たちを作ったのは、サンモントという会社の、オクダと呼ばれる男だった。 義足と呼ばれた少女は家に戻る。彼女はカエルと呼ばれていて、クーベルチュールという名前ももっている。 その頃上空で、レッド・ラン・タオ・キイ・ルウという子どもたちが飛行機に乗っていた。彼らは指令を受けて飛行機から飛び降りた。彼らはイルカと呼ばれている。 彼らはアメリカ海軍の基地に降り立ち、壊滅状態に追い込む。 この戦闘は、じつは宇宙開発の副産物なのだ。ナラ・プラント計画という人類の宇宙移民計画。 クーベルチュールの住む家に、少女の顔をした豹がやってくる。彼女の名前はアンという。もう一頭はベイブという。 ベイブは町に出ていた。人間を狩るベイブ。彼女をイルカたちが追う。

万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

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「万葉集」は現存最古の歌集と言われている。二十巻。歌数は約4,540首。舒明天皇の時代(629年~641年)から天平宝字3年(759年)まで、約130年間の歌が収められている。700年から780年頃まで数次にわたる作業を経て、奈良時代末に現行の体裁が整ったという。 本書はその中から約140首を選んである。 1200年も前だというのに、歌われている風景が目の前に立ち上がり、心情が心に響く。これは同じ日本人だからだろうか。海外の人がこの本を読んでどのような感想を抱くのか興味がある。 最後に一首引用しておく。 田子の浦に うち出てて見れば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける 田子の浦を通ってひろびろと視界がひらけるところに出てみるとなんと真っ白に富士の高値には雪が積もっていたのだった

人形の国(1)

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著者:弐瓶勉 弐瓶勉は「シドニアの騎士」以降、画面が白くなった。 巨大構造物を描き続けてきたが、今回はその傾向は薄い。しかし、弐瓶勉らしさは随所に見られる。登場人物があっさりと殺されていくところなども、そのひとつと言っていいだろう。 主人公はエスロー。エオやピコをつれて訓練に出ていた。。 訓練の途中、エオはリベドア帝国から逃れてきた少女をたすける。少女はエオになにかを託して消滅する。 リベドア帝国から逃れることになり、城を出ることを決意する。しかし、その夜帝国が襲ってくる。 エスローはイーユという敵の司令官を狙撃したが失敗、逆に自分が致命傷を負う。 突如、タイターニアがあらわれ、エスローに話しかける。死なないようにするためには、コードを使い、正規人形になることだという。エスローは了解する。 エスローは正規人形になり、鎧化する。鎧化すると、ナビゲーターのような女が現れる。これはタイターニアだ。この点、「バイオメガ」でも同じ設定が用いられていた。 エスローはイーユとの戦いに負けて、逃げる。 復活したエスローはタイターニアとともに北合成スラブ地方を目指す。 エスローたちの訪れた街に、リベドアの兵士がやってくる。住民を殺す兵士を許せず、エスローが手を出してします。イーユは、そのことを知る。リベドアの兵士、エイチが現れる。エスローはエイチを倒す。