緋文字 光文社古典新訳文庫

作者:ナサニエル・ホーソーン ナサニエル・ホーソーンが1850年に出版したアメリカのゴシックロマン小説。 堅苦しい小説かと思って敬遠していたが、読んでみると面白かった。 たしかに骨太ではあるし、時代性なのか、現代の小説にはみられない構成をしているというとこで、とっつきにくさはあるが、たいした問題点ではない。 むしろ、この小説がテーマとしている、勇気をもって真実を語るということについて力強く語られており、楽しく読めた。 舞台は16世紀なかばのアメリカ・ボストン。 父親のわからない娘を生んだという罪で、ある女ヘスター・プリンが罰せられる。 緋文字のAの文字を胸につけて生きるのだ。 ヘスター・プリンと娘のパールが人目をさけて暮らす。そして、ヘスターの元夫が彼女を監視する。町の牧師との関係なども語られる。 プロットをまとめてみると、シンプルな作品だったが、各キャラクターについて深く掘り下げられており、読み応えがある。