女の一生

 

古典文学のイメージを払拭するギャグが満載の名作。

いわゆる古典文学のイメージというと、常にインテリジェンスが感じられるというか、笑いについても品があるというものだった。
本作では、コントのような笑いが散りばめられていた。
楽しかったし、嬉しくもある。

本作はチャタレイ夫人の恋人と対になるような感覚がある。
機械文明ありきで人間として生きていくことを願い、戦っていたチャタレイ夫人に対し、本作の主人公ジャンヌは最初から自然とともにあり、自然を愛していた。機械文明に対する戦いは挑まない。ただ目の前にある自然を愛していたのだ。

熱に浮かされたような陽気さがにじみ出る前半と、苦しみがのしかかってくる後半。息子ポールのバカさ加減も、ほとんど笑いの域に達している。

生きるということはいいことばかりではないし、悪いことばかりでもない。
まさにそういう本だった。

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