堕靡泥の星 2 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 6月 02, 2020 著者:佐藤まさあき金を手に入れた神納達也は、アイドルを誘拐して自分の好きなように調教しようとする。消費社会の頂点にいるアイドルをめちゃくちゃにするという発想は、現在のバンクシーにも通ずる消費社会へのアンチテーゼだ。佐藤まさあきは劇画という表現方法を用いて、高度経済成長に浮かれる日本社会に疑問を投げかけていたのかもしれない。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
ユリシーズ 1 1月 23, 2021 ユリシーズ 1 (集英社文庫) 著者 : ジェイムズ・ジョイス 集英社 発売日 : 2003-09-19 ブクログでレビューを見る» 知的興奮に満ちた作品。 言葉やしぐさにさまざまな意味が隠されている。 モダンアートにも似た興奮がある。 読んでいて、自分の知識や教養の浅さを感じる。それはそれで良いだろう。例えば、名画と言われるものを前にして、その素晴らしさを感じる。それだけでも十分な体験になる。 もちろんその名画を読み解くことができればより充実した体験になるだろうが、まずは名画の前に立つという経験が必要だ。 そういう意味で、このユリシーズは素晴らしい体験を与えてくれる本だ。 最近のエンターテイメントではないが、何とも言えないスリリングな展開だ。日常生活を、こんなにスリリングに描写できる作家がいるとは驚きだ。 様々な言葉が入り乱れており、わかりにくい。1種の映画的な視覚効果を生んでいる。 どうしてこんなことができるんだろうか。ジェームスジョイスの腕もあるし、翻訳のうまさもあるのだろう。文章としてのかっこよさがある。 古典文学を読む価値を感じる。 ギリシャ神話との対比、もしくは関連についてはあまり気にしないで読んでいる。照合を始めると、読み進められなくなりそうだからだ。訳注も付いているが読んでいない。文章を読む流れを止めたくない。もちろん、訳註を読みながら理解をして進めていくのも良いだろうが、それだとスピードが死んでしまう。 フィネガンズ・ウェイクで挫折したことがあるので、ユリシーズはとにかく一通り読んでしまいたい。神話とのつながりがわからなくても充分面白い。 意味のない言葉を羅列しているだけだったら、ユリシーズがこの時代まで、現代まで、生き残ると思えない。生き残っているから素晴らしいと言うわけではないが、何かしらの理由があるはずだ。古典文学と言うものはなぜ現代まで残っているのか。それはそれで1つの疑問ではある。 自分のような知識の浅い人間にとって、ジョイスを深く理解すると言うのは無理な話で、そこはもう切り捨てて、とにかく読んでみる。そこが大切なところだ。 正直難解だ、ただし、読む価値があると感じる。読んでいて面白い。今の文学はこういった知的な面白さを与えてくれるものはない。どこか表面的で、ストーリーを追っているだけになっている。その違いがどこに生まれるのかはわからない... 続きを読む
絵を見る技術 名画の構造を読み解く 10月 12, 2020 絵を見る技術 名画の構造を読み解く 著者 : 秋田麻早子 朝日出版社 発売日 : 2019-05-02 ブクログでレビューを見る» 非常に面白い。 絵画の読み取り方を技術的な面から徹底的に解説した本。 アート好きで、より深く理解したい、楽しみたいという人に向いている。 絵画の主題については触れておらず、技術の面のみ。 音楽でいうと、テーマやメッセージについては語られず、使われている楽器や演奏技術、曲の構造などについて解説している。 「この作品は私たちになにを語りかけているのだろうか」という話ではなく、画家がどんな工夫をして、形を整えたり、バランスを整えたり、または見る人がじっくり絵を見るような工夫をしているか、ということを解説している。 こう書くと難解な技術書なのではないかと思われるかもしれないが、非常にわかりやすい。たぶん、高校生くらいから読める。 いろいろな技術があるが、 ・フォーカルポイント 誰が、どれが、絵の主役なのか ・リーディングライン 鑑賞者の視線誘導 がおもしろかった。 他の技術もあわせて、絵画を見るときに意識しよう。 これは絵画を分析するための本ではなく、絵画を楽しむための補助的な本。あくまでも「絵画が好き」で「もっと知りたい」という人のための本だ。 音楽の話で言うと、音楽好きな人が、音楽ってどうやってできているんだろう、と知るための本。音楽から受け取る印象は、まずは本人の感覚を優先する。 今後、モダンアートや立体作品についても同じスタンスの本が出るといいな。と願う。 続きを読む
グレイプニル007 5月 27, 2020 作者:武田すん だんだん大暮維人風になってきたか。 クレアと修一は、海斗についての情報を入手する。 海斗の能力は死人を蘇らせること。 クレアと修一は蛇女を殺す。 その頃海斗は直人と再会していた。 直人は修一と同じ着ぐるみに変身する。 ほのかが現れる。 彼女は圧倒的な力を持っているが、記憶を失っている。 この記憶を失っているという要素。 修一と共通している。 やがてクレアと修一は海斗と遭遇する。 海斗は、ふたりに戦いを挑む。 海斗は強く、ふたりは歯が立たない。 立ち去るように言われるが、最後に海斗はクレアに「お前がすべてを壊した」という。 これは意味深だ。 いままで、クレアの記憶として語られていた出来事はニセの記憶だったのだろうか。 そうだとしたら、今まで積み重ねてきた出来事が根底から覆されてしまう。 たとえば、両親を殺したのがクレアだということもありうるわけだ。 続きを読む
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