堕靡泥の星 1



著者:佐藤まさあき
懐かしくて読み返したが、おもしろい。
いわゆる劇画といったらこの人。佐藤まさあき。
孤高のアンチヒーローが悪に生きる。
しかし、彼の行っていることは本当に悪なのか。
もちろん、世間の常識から言ったら悪だ。
しかし、彼がそういうふうになってしまったのは、果たして彼の責任なのだろうか。歪んだ家庭で育ち、世の中への報復を考えざるを得ない生活をしてきた彼のもとに、その報復を実行できる機会が与えられたとしたら。

ある嵐の夜、裕福な夫婦の家に殺人犯が押し入った。
殺人犯はその妻を犯し、彼女は子供を宿した。
生まれた子供は達也と名付けられて、その家庭で育った。
しかし、父親は達也を憎み、いじめ抜いた。
母親は父親に責められて自殺。
歪んだ家庭の中で達也は復讐の時を狙っていた。

人は、生まれたときから悪という存在であるということがあるのだろうか。達也の場合は、父親が悪であったことから、彼自身は善として育つ可能性があったにもかかわらず、その芽が摘まれた。そして、その芽を摘んだ父親は、自分が悪として育てた達也によって復讐される。

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